咲き誇る春バラのために!薬剤散布ローテーション術

薬剤散布のローテーション Rose
薬剤散布のローテーション

春バラを病害虫から守る!薬剤散布の秘訣と効果的なローテーション

春の訪れとともに、私たちの心を華やかに彩るバラ。特に、その生命力あふれる春バラの美しさは格別ですよね。しかし、丹精込めて育てたバラが、病気になったり虫に食われたりするのは本当に悲しいものです。美しいバラを咲かせるためには、病害虫との上手な付き合い方が欠かせません。

「農薬は使いたくないな…」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、日本の気候では病害虫の発生は避けられない現実です。そこで今回は、あなたのバラを病害虫からしっかり守り、見事な花を咲かせるために、プロの栽培家も実践する効果的な薬剤散布ローテーションを徹底解説します!

なぜ薬剤散布が必要なのか、どんな薬剤をいつ使えばいいのか、そして安全に散布するための注意点まで、この記事を読めばすべてが分かります。大切なバラを守るための実践的な知識を身につけて、今年の春は最高のバラを咲かせましょう!


なぜ薬剤散布が必要なの?バラ栽培の基本

「農薬は使いたくないな…」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、無農薬で育てられるに越したことはありませんが、日本の気候はバラにとって病害虫が発生しやすい条件が揃っています。特に春は、気温の上昇とともに病原菌や害虫の活動が活発になる時期。放っておくと、あっという間に病気が広がり、株が弱ってしまったり、最悪の場合枯れてしまったりすることもあります。

薬剤散布は、病害虫の発生を未然に防ぎ、もし発生してしまっても早期に駆除するための大切な手段です。また、薬剤にはそれぞれ得意な病害虫や作用機序があります。そのため、一つの薬剤に頼りすぎず、複数の薬剤を時期によって使い分ける「ローテーション」が非常に重要になるのです。
我が家の薬剤リストになります。
後ほど、注意事項を記載しますが、RACが重ならないよう、ローテーションを考えます。


商品名有効成分RAC希釈倍率限度回数
殺虫トクチオン乳剤プロチオホス1B10005
殺虫マラソン乳剤有機リン系1B20006
殺虫トレボン乳剤エトフェンブロックス3A20006
殺虫ベニカS乳剤ベルメトリン(有機リン系)3A2006
殺虫ダントツ水溶剤クロチアニジン4A20004
殺虫アファーム乳剤エマメクチン610005
殺菌トップジンチオファミートメチルK115005
殺菌ベンレートベノメル120006
殺菌トリフミン乳剤トリフミゾール(EBI)330005
殺菌ラリーミクロブタニル(EBI)330005
殺菌サプロールEBI310005
殺菌ジマンダイセンマンゼブ水和剤M34008
殺菌オーソサイドキャプタン水和剤M48003
殺菌ダコニールTPN水和剤M510006
殺虫・殺菌イオウフロアブル水和硫黄剤M2500なし
殺虫・殺菌サンヨール銅剤M15008
殺菌Zボルドー銅剤M1500なし

春バラ開花までの薬剤散布ローテーション記録

実際に私が行った春バラ開花までの薬剤散布の記録を公開します。

なるべく、予防薬をこまめに散布しました。
開花時期まで、黒星病なくもちこたえることができました。

ご自身のバラの状態や地域の気候に合わせて参考にしてみてください。

散布日使用薬剤備考
4月5日オーソサイド【殺菌 M4】、
ダントツ 【殺虫 4A
病害(黒星病、うどんこ病など)と害虫(アブラムシ、チュウレンジハバチなど)の初期防除を目的とします。早めに手を打つことで、その後の被害を最小限に抑えられます。
4月17日ダコニール【殺菌 M5】、
アファーム【殺虫 6】、
害虫(ハダニ、アザミウマなど)と病害(黒星病、うどんこ病など)の対策を強化。特にハダニは繁殖力が強く、早期発見・早期対策が肝心です。
4月27日ボルドー【殺菌 M1】、
ベニカ 【殺虫 3A
ボルドー液は病害に幅広く効果を発揮する強力な味方ですが、散布後の期間に注意が必要です。ベニカは幅広い害虫に効果があり、異なる種類の害虫にも対応できます。
5月3日オルトランDX粒剤 浸透移行性の粒剤なので、株に吸収されて内部から害虫(アブラムシ、アザミウマなど)に効果を発揮します。雨が降っても効果が持続しやすいのが特徴で、忙しい方にもおすすめです。
5月5日ジマンダイセン【殺菌 M3】、
イオウフロアブル【殺菌 M2】、
アファーム【殺虫 6】
ジマンダイセンは幅広い病害に、イオウフロアブルはうどんこ病やハダニに有効です。アファームで害虫対策を継続し、多角的にバラを守ります。
5月25日サプロール【殺菌 3】、
マラソン【殺虫 1B】、
開花後の害虫(コガネムシ、バラゾウムシなど)と病害(うどんこ病など)の対策。花が咲くと、コガネムシなどがやってきやすいので、開花後も気を抜かずにケアしましょう。

※すべての散布において、**展着剤(アプローチ、アビオン)**を併用し、薬剤が葉にしっかり付着し、効果を高めるように工夫しました。展着剤は薬剤の効果を最大限に引き出すための縁の下の力持ちです。


薬剤散布のコツと注意事項

安全かつ効果的に薬剤を使用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。

1. 同一系統薬剤の連用は避けるべし!

同じ種類の薬剤ばかり使っていると、病害虫がその薬剤に対して「耐性」を持ってしまうことがあります。そうなると、せっかく散布しても効果がなくなってしまいます。これを防ぐために、異なる作用機序を持つ薬剤を交互に使う「ローテーション散布」が非常に重要です。薬剤のパッケージに記載されている「系統」や「作用機序」を確認し、バラエティ豊かな薬剤を使いこなしましょう。

2. 薬剤ごとの散布間隔を厳守!特に注意すべき薬剤

薬剤にはそれぞれ「散布してから次の薬剤を散布するまで、これくらい間隔を空けましょう」という規定があります。特に注意が必要なのが、以下の薬剤です。

  • ボルドー液(銅剤):強力な殺菌効果がありますが、散布後に葉に銅成分が残ります。他の薬剤、特に有機リン系の薬剤(マラソンなど)をボルドー液散布後すぐに使うと、薬害(葉が変色したり枯れたりすること)が出やすいため、注意が必要です。最低でも7〜10日間は他の薬剤散布を避けましょう。
  • 有機リン系薬剤(マラソン、オルトランDXなど):幅広い害虫に効果がありますが、高温時の散布は薬害が出やすい傾向があります。また、連続使用は避けるべきです。
  • マンネブ剤(ジマンダイセンなど):幅広い病害に効果がありますが、連用すると耐性の発達を招きやすいため、ローテーションに組み込む際は注意が必要です。

薬剤のパッケージには、必ず「使用上の注意」や「使用時期」「使用回数」などが記載されています。面倒に感じても、必ず確認し、厳守することが大切です。

3. 安全な薬剤散布のための5つの鉄則

  • 希釈倍率と使用量を守る!:規定の濃度を守らないと、効果が薄れるだけでなく、薬害の原因にもなります。多ければ良いというものではありません。
  • 天候を確認する!:雨の予報がある場合や強風時は散布を避けましょう。薬剤が流れたり、飛散したりする可能性があります。せっかく散布しても効果が半減してしまいます。
  • 散布の時間帯を考える!:早朝や夕方など、気温の低い時間帯に散布することで、薬害のリスクを減らせます。日中の暑い時間帯は避けましょう。
  • 保護具を必ず着用!:マスク、手袋、保護メガネなどを必ず着用し、薬剤が皮膚や目、口に入らないように徹底してください。あなたの身を守るためにも重要です。
  • 使用期限を守る!:期限切れの薬剤は効果が期待できないだけでなく、思わぬ副反応を起こす可能性もあります。

まとめ

美しい春バラを咲かせるためには、適切な薬剤散布が不可欠です。今回ご紹介したローテーションと注意事項を参考に、ご自身のバラの状態に合わせて柔軟に対応してください。

大切なのは、病害虫の発生を早期に察知し、適切な薬剤を適切な時期に散布すること。そして、何よりも安全に作業を行うことです。

この情報が、皆さんのバラ栽培の一助となれば幸いです。もしバラの栽培で困っていることや、さらに詳しく知りたいことがあれば、お気軽にコメントで質問してくださいね!

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