NDロードスターを運転していて、あまり聞いたことのない周期的な振動音が聞こえるけど、なんだろう?と困っているオーナーさん!! その問題、ここで解決できます。それはAピラーガーニッシュの台座が割れて、走行風で振動している音です。最初は高速道路の走行速度で振動をはじめ、この振動で台座が割れると一般道の速度でも激しく振動します。その音はビックリするくらいの大きな音です。修理費用は結構かかります。
旅の途中に前兆があった
GW中の5月4日(日曜日)、妻とロードスターで茨城県の笠間市を目指して圏央道を走っていた。直前にロードスターのリアハブベアリングを交換して、2年近く悩まされていた「ヴォぉぉぉぉぉーん」と聞こえていた異音がぱたっと消えた。異音のストレスから解放され、圏央道の直線道路でも運転が楽しくてたまらなかった。たぶん表情はニヤけていたと思う。
ニヤニヤしながらの運転ですから、自然とアクセルを踏む足にも力が入った。徐々にスピードが上がり、丁度エンジンの回転数が3000rpmを超えたあたりで何やら聞いた事のない音が聞こえてきた。なんだこの音は?
「ブーン・・・ブーン・・・ブーン」と周期的な音だ。
その音はタイヤから発生するロードノイズ、エンジン音と風切り音の上に乗っかっていた。周期的な音と言うのが気になった。試しに一旦速度を落とし、もう一度同じ状態まで速度を上げるとやはり聞こえてきた。耳鳴りじゃなかった。再現性があった。
先程までニヤニヤしていた気持ちがさーっと冷めていくのを感じた。でも妻との大切なドライブだ。妻と一緒に笹間焼きが見たい、気に入った食器を買いたい。集中だと自分に言い聞かせた。とりあえず嫌な思考に蓋をしておこうと決めた。
振り返れば、これが前兆だった。
聞いたことのないブーンブーン音?からバタバタ音へ!
もう何十年といろいろな車に乗ってきた。ブーンブーン音なんて聞いた事ない。中古車両の本体価格198,000円のオンボロNBロードスターでも、こんな音してなかったぞっ。どれ程オンボロかと言うと、足立の中古車ショップから車両を引き取って千葉に帰る時、ラジエターからポタポタと液が漏れたり、運転席や助手席の窓ガラスが落ちて上がらなくなったり、リアサスのダンパーからオイルが漏れたり、挙句には運転席側のサイドシルが錆びて穴が空いたりとまあ酷い車でした。それでもブーンブーン音はなかった。
現在のNDロードスターは2017年4月に新車で購入したもので、修理と言ったら買って1ヶ月にならない時にフロンドガラスに石が当たりフロントガラスを交換したくらいと、直近のリアハブベアリングの故障くらいだ。なんだ?このブーンブーン音は。その時は全く何が悪いのか、見当もつかなかった。
車から降りてみると無惨な状態になっていた
毎日通勤で乗っていたある日、50km/h程度で突然「バタバタバタバタっ」と激しい音がした。めちゃくちゃ驚いた。いや驚くしかなかった。何が起きたんだ! 自宅に戻り車を止めて降りてみると、フロントAピラーの黒い樹脂カバーが外れて、ビョーンと伸びた接着テープでなんとか車両から外れずに付いていたのだ。外れた樹脂カバーはガーニッシュと言います。ガーニッシュの裏側を観察すると上端の固定する台座部分が綺麗に破断していた。何かぶつけたわけではないし、手荒く洗車したわけでもない。よく見るとガーニッシュ下端の固定ボタンでかろうじて車両とくっ付いていたのだ。手でグラグラのガーニッシュを掴んでいたら、下端の固定ボタンを受ける部分が縦に割れて本当に車両と分離してしまった。もうダメやと思い、外れたガーニッシュはトランクルームに放り込んだ。直ったのに壊れた、虚しさがあった。

修理の見積もり
翌日、お世話になっているマツダのディーラーに出向いて、壊れたAピラーガーニッシュを見てもらった。サービスの人、驚いてました。「こんなの見た事ない」て!(笑) 振り返ればフロントガラスが割れたときも、この地域で初めての修理となった。今回の割れたガーニッシュ交換も初めて決定だね。
Aピラーガーニッシュの値段は、15,598円、取付工賃は8,800円と見積もってくれた。ここでふと考えたんです。運転席側だけ新しくすると見た目が悪いし、経年劣化ならそのうち助手席側の同部品も壊れるよなと。ならいっそうの事、左右のAピラーガーニッシュとセンターガーニッシュ丸ごと交換しようと思った。だってガーニッシュの表面はピアノブラック塗装のところに、水垢びっしりの部分と新品の部分が混在していたらストレス以外の何者でもないでしょう。大枚を叩いてでもそれは避けたい。結果、ディーラーのサービスの人に全部交換でお願いした。修理費の合計は54,505円! 修理日を決めて帰路に着きました。
ここから推定なんですが、構造的に見るとAピラーガーニッシュは3箇所の固定ボタンと3箇所の粘着テープで車両に固定されていました。ガーニッシュの真ん中あたりのテープ(二箇所)が剥がれたか、粘着が弱くなり、走行中の強い風がガーニッシュの面と裏側を勢いよく通った時に飛行機の羽のような揚力が働き「振動」した。この振動が周期的なブーンブーン音の発生だ。その振動が樹脂を疲労させ、ガーニッシュ上部の固定ボタンを受ける薄い板状の台座部分が破断したのだろうと考えた。後は連鎖的にガーニッシュ中央部の固定ボタンが根元から外れてしまった。このときガーニッシュの上から3/4がフリーの状態なので、低速の50km/h程度で大きめのバタバタ音(金属の車両側に強く当たった音)が発生した。これが私の読みだ。
結果、センターガーニッシュ側の伸びたテープとAピラーガーニッシュ下端の固定ボタンだけでかろうじて剥がれずに済んだ感じだ。修理に金はかかるけど、他の車に迷惑をかけなかっただけでも助かった。


それでもロードスターは楽しい
ハブベアリングが故障しても、Aピラーガーニッシュが片方なくても(見栄えが悪いの意味)、一度ステアリングを握ると嫌な事を忘れさせてくれる、それがロードスターだ。最近、CX-60の3.3Lの6気筒ディーゼルが欲しいのだけど、楽しいロードスターが一番良いと思う。
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